九州実験動物研究会 紹介

元会長(名誉会員)半田 純雄

 

 本研究会は、元鹿児島大学医学部教授山内忠平先生の呼びかけで、1984年6月に九州及び周辺地区の実験動物学ならびに関係諸科学の発達を図ることを目的として発足しました。発足当初45以上の関連機関がありましたので、これらの機関に所属する研究者や技術者がそれぞれの専門分野から各所の情報を提供し、お互いに機能的に協力し合う事によって実験動物学の発展を期待しておりました。

 

 以来毎年、特別講演、シンポジウム、一般講演を含む総会が1年に1回九州各地で開催されています。節目の第10回の総会は、1992年に琉球実験動物研究会と合同で那覇市で開催され、沖縄県の関連の方達とも交流を深めました。また、技術者との交流を深めるために、 1994年からは日本実験動物技術者協会九州支部の研究発表会と同じ開催地とし、期日を前後させるようにし、特別講演やシンポジウムの演題についても双方で協議してきました。1999年からはさらに交流を深め、人里離れた阿蘇の雄大な景観の中で共同で開催されました。本年(2000年)も同様に、第18回の総会が11月11、12日に鹿児島県指宿市で開催されました。来年(2001年)の第19回総会は、10月に長崎市で開催予定です。その間に、世界の実験動物胚バンクを目指して熊本大学に動物資源開発研究センターが設立され、九州地区の実験動物研究の新しい核として動き始めました。

 

 現在、会員数は120名を越えました。さらに充実した研究会に前進するようにと、2002年より会則が変更されることも決まりました。これからは学生会員も増やし、企業の実験動物関係者にも広く呼びかけ参加してい ただき活気あふれる会にしてまいりたいと思います。関心のある方がたの入会を期 待しています。

 

 本研究会が発足するときに、宮崎医科大学の土屋公幸会員にお願いして、雑誌の表紙のシンボルマークを作っていただきました。左の図がそのシンボルマークです。シンボルマークの中の動物は、ケナガネズミDiplothrix legata で九州の奄美大島・徳之島と沖縄本島にのみ分布する樹上棲のネズミで天然記念物に指定されています。ケナガネズミは体長25~30cm、尾長25~33cmで背面には長さ6cmの剛毛がはえています。色は背部が褐色、腹部と尾の先は黄白色。耳は円形で、ヒゲは黒くて長いネズミです。

 

(2000年11月)