九州実験動物研究会 紹介

会長  小野 悦郎(九州大学)

 

 九州実験動物研究会は、実験動物および動物実験に関する知識や技術を共有し、九州および周辺地域における実験動物学並びに関係諸科学の発展を図ることを目的として、初代会長の故山内忠平先生(鹿児島大学)の呼びかけで1984年6月9日に発足しました。初代の会長は故山内忠平先生で、その後、故半田純雄先生(九州大学)、佐藤浩先生(長崎大学)、毛利資郎先生(九州大学)、浦野徹先生(熊本大学)、大沢一貴先生(長崎大学)と受け継がれ、第12期に引き続き今期も7代目の会長として私が務めさせて戴いております。本研究会の発足時に、ケナガネズミDiplothrix legataをモチーフとした研究会のシンボルマークを故土屋公幸先生(宮﨑医科大学)に作成していただき、現在も「九州実験動物雑誌」の表紙等に使用しています。左の図がそのシンボルマークです。ケナガネズミは、九州の奄美大島・徳之島と沖縄本島のみに分布する樹上棲の体長25~30cm、尾長25~33cmで背面には長さ6cmの剛毛が生えているネズミで天然記念物に指定されています。

 

 本研究会は、毎年秋に定期の「総会と学術集会」を開催し、同時期に会誌「九州実験動物雑誌」を発行しています。2005年には、若手研究者の活性化を目的に「山内・半田賞」を制定し、九州実験動物雑誌における原著あるいは本研究会総会で発表された演題の中から、特に優れた若手の研究者1名を選んで本賞を授与しています。また、2006年からは、不定期の学術集会として、日本実験動物技術者協会九州支部や日本実験動物協同組合九州支部と共同で「実験動物ジョイントセミナー・イン九州」を開催し、喫緊の課題や情報共有に対応してきています。さらに、海外の実験動物領域の関係者と学術交流を行なうために、本研究会と中国の広東省実験動物学会、海南省実験動物学会および遼寧省実験動物学会との間でそれぞれ学術交流協定を結び、地方の組織同士の交流を実施していました。暫くの間、交流が途絶えておりましたが、2015年の福岡市での本研究会総会から広東省実験動物学会との間で隔年の相互訪問が再開されました。

 

 また、一昨年は、熊本市で第52回日本実験動物技術者協会総会を、昨年は福岡市で第66回日本実験動物学会総会を開催させていただき、多くの関係者の皆様に両総会にお越しいただきましたこと、改めて御礼申し上げます。

 

 本研究会の役員会や委員会活動は、今期で第13期目を迎えました。国内外交流、技術交流、若手交流、学術集会、情報管理、編集、「山内・半田賞」選考、財務検討、産学連携検討の合計9つの委員会の委員長を理事が兼務する構成です。今年の第38回本研究会総会も既に11月28〜29日に鹿児島県鹿児島市において、日本実験動物技術者協会九州支部研究発表会との合同開催で、準備が進められています。

 

 本文をお読みいただきました会員の皆様におかれましては、今後益々本研究会のためにご活躍いただけますようお願いいたします。また、会員以外の動物実験関係者の皆様におかれましては、これを機会に本研究会に入会していただければと存じます。

(2020年2月17日)

 

 

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